つくばでのRuby会議2010 3日目

ホテルグランド東雲に宿泊。結婚式場・レストランの庭がとても立派だった。


9:30に少し遅れて朝一番は「Rubyクラウドを便利にする方法〜ニフティクラウドの事例〜」から。
ニフティクラウドAPIの利用は、8月10日にβリリースで鋭意整備中と。利用は1時間12.6円から(ということは1日24時間、1ヶ月31日で9374円から)。パンフレットによるとその他いろいろ諸費用もかかるようでまあそれなりにそれなるようでした。サイトは http://cloud.nifty.com/

10:00〜「Rubyによる分散ストレージシステムの実装」リコーのquanpにも一部使われているそうで、TokyoCabinetなどとは棲み分けて、大きなデータの格納に特化している。

githubhttp://github.com/ToshiyukiTerashita/castoro/

10:30〜「RWikiと怠惰な私の10年間」咳さんの独特のオーラが今年も振りまかれました。
RWikiは10年前からオンメモリのドキュメント指向データベースを実現しており、某所で10年着々と運用実績を重ねている。Rubyのサイトも昔はRWikiで実装されてた記憶あり。時代がやっと咳さんの先進性に追いついてきたというところなのかもしれません。検索がSennaを使ってサクっと速くなったそうですが、groongaはSennaの後継とのことなので今後その組み合わせも面白いかも知れません。

11:00〜「Practical Ruby Projects with MongoDB」Alex Sharpさん
MongoDBはSQLDBに近いNoSQL。「みてわかるクラウドマガジン」でまつもとさんが記事を書いていたので注目していましたが、直接作者のお話が聞けてこれもRuby会議の醍醐味でした。

Rails3の時代には、mongoid2がどんどん使われる場面が増えると予想されます。

githubhttp://github.com/ajsharp/bunyan

12:00〜「Ruby powering 9 million dining tables」クックパッド橋本さん
Missionの勝利でしょう。

はてなの舘野さんはクックパッドに入社されたのですね。3人目のプレゼンで良く似た方だと思ったらご本人だったのでびっくり。

今後はどんどん世界へ展開してゆく勢いを感じました。

橋本CTO 曰く
「日本の料理はすごい。世界から取り入れるし、お弁当という独自の様式もある。
 海外へ行っても結局日本が一番ということがわかる。」
「ユーザの為のものづくりが原点。」
「Bestに集中する。Goodはやらない。」これも名言。

Railsへリニューアルする前はColdFusionを使っていたそうで、そう言えばColdFusionのシステムも一時期(2004年頃)はFlashのシステムでよく使われていたのに、他のサイトは今も現役なのでしょうかどうなっているのでしょうな。

13:30〜「るりまサーチの作り方-Ruby1.9でgroonga使って全文検索」クリアコード須藤さん
るりまサーチ http://rurema.clear-code.com/

groongaストレージエンジン http://mroonga.github.com/
ラングバプロジェクト
rroonga http://groonga.rubyforge.org/
racknga Ruby1.9+Rackをもっと便利に

さすが須藤さんですね。

14:00〜「ゲームとバーチャルタイム」Tom Lieberさん

 waveファイルを制御
 タイミング制御 時間を正確に制御
 Ruby Thread → ruck Shreds
 フレームレート独立
 ruck がスケジューリング
 Chuck がサウンド

 とにかく音を見事に制御していたので、インパクトありでした。

githubhttp://github.com/alltom/ruck

15:00〜「before Rails時代のプログラマが如何にして after Railsの世界にたどりついたか」柴田さん

北海道から永和に。ursmさんと机を並べてAfter Rails術をマスターされていった様子を分析しよくまとめられていました。

github の使いこなしが大きなポイントであるという指摘は、まことに御意。
githubは「俺ってスゲーな」感の加速装置。

15:30〜「HTMLデザインをまったく崩さない、美しいテンプレートエンジンの作り方」桑田誠さん
 プレゼンテーション層にもロジックがあるのでプレゼンテーション層にはロジックを含めるべきではないというのは誤り。
pureHTMLでデザイナーの世界とプログラマの世界を分業という方式はまさに待ち望まれていたもの。
Amrita2の試みもあったがレイヤが分離できていない。

プレゼンテーション層のロジックも独立したファイルにして、コンパイルして合成するという新方式→ Kwartz


サンプル

kwartz方式は、デザイナとプログラマが分業している場合には強力な武器になりそう。
デザイナとプログラマが兼業している場合は Haml/Saas がもう捨てられないと思う。

16:30〜 基調講演 Chad Fowler
あれっChad Fowlerさんてこんなにやせた人だっけ?と思ったら種明かしは講演の中にあった。
LifeHackで目標を決めトレーニングを重ねやせることを達成したのだった。

「本当にやりたい事は何か」
「どんなニッチなことでも追求していけば良い」
「生きたい人生を今生きろ」
「Intention 意志 さえあれば以外と簡単にできちゃう」
「毎日の練習を積み上げてゆく」

「楽しくする Make it FAN」
「専門分野を選び、それに精通しよう。技術より分野が大事」
「 Be Remarkable 目立とう」

なるほど!
アメリカの有名人(なのか)は、ある一定の共通の成功パターンを踏んでいるのだなと感じさせられた。

2007年のDave Thmoasさん の基調講演は、彼がステージに立っただけで、涙が出そうになり、語り出すと涙が止まらないというあの圧倒的なオーラはもう味わえないのだろうな。

17:30〜 クロージング
高橋会長から「Ruby会議は来年2011年限り」と爆弾宣言。
マンネリ化への拒絶や日本Rubyの会が主催する負担の再考という点でひとつのアドバルーン
ひとつの時代を区切って「群れのルール 群衆の叡智」が行方を決めることになる。

今年のRuby会議も終わってみればあっという間でした。
貴重なお話をしてくださった講演者の皆様、準備と本番で献身的な貢献をされた実行委員をはじめスタッフの皆様、直接的な援助のスポンサーの皆様、そして同じ時間・空間を共有して盛り上げてくださった参加者の皆様ほんとうにありがとうございました。