(#004) 2003.09.23
復刻シリーズ第44弾! Lindowsって一瞬だったな^^
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2003.09.23 Vol.037 ━━━━━ ☆☆★★★ ☆☆★☆☆ 日刊「SOHOのツボ!」 ★★★☆☆ http://www.soho-union.com/soho/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 配信部数 769部 「ソフトエンジニアの雇われない生き方」(#004) 福井修@Fsys 【○】本日のお題 技術まわり ━━━━━━━━━━ こんにちは福井です。一気に涼しくなりましたが、秋分の日に4回目です。 前回 注1) 『 独立、そして請負はハイリスク。だが本質的な強みはある。 』 と書きました。 本日は、技術まわりについて書きます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 『進歩』と『調和』 ──────────────────────────────────── 私には、忘れられないキャッチフレーズがあります。 1970年に大阪で万国博覧会がありましたが、この時のテーマが 「 人類の進歩と調和 」 というものでした。私は高校生でしたのでもう30年以上前になります、早いも のです。 この「進歩と調和」というのはなかなか永遠のテーマです。 「進歩」というのは、実は「調和」を乱すことです。現状で安定しているなら、 それはそれで良いことなので、それを維持するのが秩序です。それもひとつのあ りかたです。しかしながら、調和だけでは、進歩はありません。 この「進歩と調和」のどちらをとれば良いのかというのがポイントです。結局、 バランスをとりながら、どちらも追い求めるところの「中庸」をとるのが良いと いうのが人類としての結論です。 とはいうものの、日々進歩か調和かの選択を迫られます。具体的な例をあげると Microsoft Office 2003 (Microsoft Office System) が10月24日に、発売さ れますが、どうしますか? 現状のOfficeで、別にさしあたって使えているので、それを維持するという立場 と、新しいものは何か進歩しているはずなのだから早速それは取り入れるという 立場と両方があります。 自分が選択権を持っていれば、どちらでも選択できます。しかしながら組織で は、全体の調和を考慮しなければなりませんから、自分だけOffice 2003にする ことは出来ません。 企業では、Windows95でOffice95という組み合わせもまだまだありでしょうし^^ 組織では、いろいろな事情で、「ルール(というか規制)」が蔓延します。 それは「秩序維持」に必要なのですが、進歩に対してはブレーキになります。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ キャズム、Lindows ──────────────────────────────────── ものには、寿命や賞味期限があります。ハイテク商品の普及には、chasm (キャ ズム、カズム)の理論が興味深いです。注2) そこで説かれているのは、最初にInnovators 革新者が、次にEarly Adopters 初 期導入者が、そしてEarly Majority 初期大衆が、さらにLate Majority遅延大衆 へと続くという洞察です。他にLaggards 落伍者もいますが。 この視点で、技術や商品の普及具合を眺めてみると、おもしろいです。 PCも出始めは、Innovators 革新者が飛びついて、Early Adopters 初期導入者, Majority 初期大衆段階も過ぎて、今はもうLate Majority 遅延大衆でしょう。 他の例も見てみると、Linuxのサーバは、もうEarly Majority 初期大衆段階でし ょう。そして Linuxデスクトップは、まだまだEarly Adopters 初期導入段階以 前でしょう。 Lindows4.0の エッジのプロモーションで一気に進展するかもしれませんが。 激安なインパクトもありですから。注3) ちょっと脱線気味ですが、言いたいことは、新しいものはどんどん出てくるし それにどう反応するかという選択を迫られるということです。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 技術 は 進歩 を求める ──────────────────────────────────── エンジニアは、日夜「技術革新」に邁進します。そうです。昨日よりは今日、 今日よりは明日の方が進んでいることを目指すわけです。それが宿命です。 私(も)は、何か「新しいこと」や「新しいもの」は、基本的に大好きです。 ですから、すぐに飛びついてしまう方です。まあInnovators 革新者にはなれま せんが、Early Adopters 初期導入者あたりには位置したいのです。 これは理屈抜きで、そういうタイプなのです。 ですから いろいろ好奇心でもって、新しいことやものは受け入れて来ました。 はずれもありますから、また時間には、制限がありますから、「あれもこれも」 ではなく「あれかこれか」で選択しなければなりません。その選択には、まあそ れなりに私なりの価値基準、嗅覚は形成されています。 人の身体は、食べたもので出来上がりますし、人の頭は、読んだり、聞いたり、 見たりしたもので出来上がります。 政治に興味を持っていれば、その情報をとりこんで政治頭ができてゆくでしょう し、スポーツに興味を持っていれば、その情報をとりこんでスポーツ頭ができて ゆくでしょうし、システムに興味をもっていれば、システム頭ができてゆくでし ょう。 水は、高いところから低いところに流れるように、情報も、高い(濃い)ところ から低い(薄い)ところに流れます。インターネットでこの流れは加速されてい ます。 誰かが前に進んで、道を切り開くと、あとから続く人は、それを踏み固め、小さ な道がだんだん広く整備されてゆく。ソフトウェアの世界は、そんな感じがピッ タリします。 サラリーマン時代 「教育手当」というのがありまして、自己研鑽の為に毎月3 万円以上使うようになりました。ほとんど本代に費やしますが、まあ技術系雑誌 が1冊1500円ほどとして、10種類でも1万5千円。3千円の本も5冊買っ て3万円。1年で36万円〜です。まあこれをかれこれ、25年は、続けている ので、まわりはもう本で一杯です^^。 本を読んで技術を身につけるには、絶対身銭を切るのが大事です。身銭を切って 買った本は、読まないともったいないですから、移動の最中や、トイレの中でも 、結構一生懸命読もうとします。 まあ紙からデジタルにどんどん移行していますから、この状況も、変わってゆく のでしょうが。 という訳で、自分が興味・関心をもってやっている分野で、どこかでそれが必要 とされたら、そこでお役に立てる場面ができることになります。 本日のツボ 『 アンテナを広げ、知見を高め、それを 強みに、切り開け 』 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ※ 注釈、資料、参考情報 ──────────────────────────────────── 注1) http://www.melma.com/mag/75/m00094675/a00000027.html 注2) キャズム http://www.seshop.com/detail.asp?pid=1942 トルネード http://www.nti.co.jp/~kobakan/contents/insidethetornado.html 注3) Lindows4.0搭載PC \29,800 http://www.ascii-store.com/c/lindows http://www.asahi.com/business/update/0917/116.html Lindows http://lindows-jp.com/ http://japan.linux.com/desktop/03/09/02/0348235.shtml 【プロフィール】 福井 修 ( FUKUI Osamu )o-fukui@po.iijnet.or.jp 福井システムリサーチ http://fsys.net/ 主幹。システム構築歴27年。 システム構築エキスパート 日本Linux協会、神戸商工会議所、情報処理学会 会員 関西ソーホ・デジタルコンテンツ事業協同組合員 デジタルハリウッド三宮校 Java講師