(#003) 2003.09.9

復刻シリーズ第43弾!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2003.09.09 Vol.027 ━━━━━
 ☆☆★★★
 ☆☆★☆☆ 日刊「SOHOのツボ!」
 ★★★☆☆              http://www.soho-union.com/soho/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                               配信部数 721部
「ソフトエンジニアの雇われない生き方」(#003)   
                                                          福井修@Fsys

【○】本日のお題   お金まわり               ━━━━━━━━━━━━━━

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 安定かリスクか
────────────────────────────────────
前回 注1)  『  独立は、自分で意志決定し、自分で責任を持つこと  』と書き
ました。
本日は、独立の際の主要なテーマとなる お金まわり について書きます。

独立の際には、ほんとうにやってゆけるのか? というのが大きな壁になると思
います。いくら技術に自信があってもそれだけでは、仕事にはなりません。

私は、エンジニアですから、営業に関してはしろうとです。会社で仕事をしてい
ると営業の支援もしますから、いろいろな場面を体験はしてはいましたが、それ
は会社の看板を背負ってのお仕事の話しです。自分だけの看板で仕事を取るには
相当のギャップはあると思います。

そこで、自分は、自分の土俵(技術)で相撲をとるべきであって、自分のスキル
が足りない分野(営業)は、他人に任せようと考えました。

ソフトの仕事は、一括いくらの請負形式と、毎月いくらの経費精算方式がありま
す。

一括いくらの方式の難しさは、いろいろ体験していましたし、まだ90年頃は、
PC9801の時代ではありましたがWindowsブレイク以前でDOSがメインの時代で、PC
では、ワープロ表計算DOS一太郎ロータス1,2,3..)が主流で、システム
以前でしたので、PCシステムの一括請負はまだ機が熟してはいませんでした。

また浪人時代も8ケ月ほど続いて、まわりも心配していましたので、安定して、
仕事を得られる方式(リスクは負わない)で始めることにしました。

そうです。毎月いくらの常駐時給精算方式です。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 営業社に、手数料を支払う方式
────────────────────────────────────
 派遣会社に登録して、派遣されて、給料を頂く という方式が存在します。
それなりに時代のニーズにマッチしては、いるのでしょう。

私の場合は、それと見かけ上は、似ていたかもしれませんが、ちょっと違いまし
た。まあビジネスモデルの先駆だったかもしれません。

求職活動(雇用保険を頂く前提条件)中に、コンタクトしたソフト会社の経営者
の方と懇意になったものですから、そこで、次のような提案をしました。

「 私は、サラリーマン時代、年収○○○万円でした。またエンドユーザから月
  ○○○万円頂く仕事をしていました。私は時給○○○○円以上であれば結構
  ですから、そのような仕事を調達して頂けたら、エンドユーザーからの収入
  と私への支払いの差額が、御社の手数料になります。
  営業していただけませんか?」

 こんな感じですね。

 例えば、エンドユーザーにとって月120万円の支払いが、月100万になっ
たらコスト削減ですし、営業社は、ノーリスクで、月々20万の手数料が取れ
たらOKOKでしょうし、私も安定して月80万入ったら、それはそれでOK
ですし、まあみんながうまく収まるわけです。
(あくまで数字は、例ですので、そのまま事実だと思わないように^^)

安定仕事供給を保証する営業活動なしの取り次ぎのみの手数料の場合は、料率
は当然下がります。

あくまで雇用契約ではありませんから、使う側も使われる側も、自由度があり
つつ、あるプロジェクトの期間は、安定した仕事環境が得られるというメリッ
トがあるわけです。


まあ プロジェクトは、永遠ではありませんから、ある単位で、始まりがあって
終わりがあって、そして次へとなります。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ リスク、収支、請負方式
────────────────────────────────────
 常駐時給方式は、安定しているのは良いのですが、自由度は、限られます。

常駐時給方式は、まあサラリーマンと独立自営の中間でしょうね。

資金運用での銀行預金のローリスクローリターンか、株式投資のハイリスクハイ
リターンかという命題は、仕事をする上でも同様ですね。サラリーマンがローリ
スクローリターン(普通はそう^^。例外もありかな注2))なら、独立自営は、ハ
イリスクであるならハイリターンであるはずなのでしょう。まあハイリスクロー
リターンという自嘲もあるでしょうが。

独立して、やってきてまあサラリーマン時代よりは、沢山入ってはいます。その
分確かに、長時間労働しています。また出ていくのも多いです。ので時間単価で
は、有利ではありません。まあやりたいことを選択した代償だと思っています。

まあ あまりお金のことは、考えずにやってきた(これた)というのが実感です。

自分のやりたいことをやるという路線を選ぶのであれば、自由度の大きな仕事の
やり方を選ぶのが必然です。

そうすると 請負方式も必然です。請負方式は、ハイリスクです。

ここが勝負の分かれ目です。勝つか負けるかの。ハイリターンなら良いですが、
ローリターンも寂しいですがまだましです。マイナス(持ち出し)という結果も
ありです。

私も請負には、苦労しています。まあ楽しんでもいますが。

 
あくまで 仕事は 「 相手のニーズに応えてなんぼ 」なものですから、次の原理
が働けば良いわけです。

  『 相手の弱みに、自分の強みをぶつける 』

これですね。まあこの業種はいろいろあるわけですが..。

独立自営は、一般企業に比べて構成が単純になります。単純ということはコスト
が安く抑えられるということです。間接要員を持ちませんから。

これは、強みです。

また小回りが利きますから、もう賞味期限の過ぎた負の資産に縛り付けられる事
を避けられるのも大きな企業に比べたらとても有利です。

新しい技術をすぐに取り込め、武器にできるというのも強みです。


本日のツボ

   『  独立、そして請負はハイリスク。だが本質的な強みはある。  』


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
※ 注釈、資料、参考情報
────────────────────────────────────
注1) http://www.melma.com/mag/75/m00094675/a00000017.html
注2) 公務員の生涯支給額(退職金・年金含む)を労働時間で割ると、時間単価
     は、たぶんSOHOの長時間労働での収入の時間単価より高いでしょうねぇ

【プロフィール】
福井 修 ( FUKUI Osamu )o-fukui@po.iijnet.or.jp
福井システムリサーチ http://fsys.net/  主幹。システム構築歴27年。
システム構築エキスパート
日本Linux協会、神戸商工会議所情報処理学会 会員
関西ソーホ・デジタルコンテンツ事業協同組合デジタルハリウッド三宮校 Java講師