(#008) 2003.11.18
復刻シリーズ第48弾! blog が普及するにはやっぱ3年程かかってるね。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2003.11.18 Vol.077 ━━━━━ ☆☆★★★ ☆☆★☆☆ 日刊「SOHOのツボ!」 ★★★☆☆ http://www.soho-union.com/soho/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 配信部数 805部 「ソフトエンジニアの雇われない生き方」(#008) 福井修@Fsys 【○】本日のお題 社会の動向 ━━━━━━━━━━━━ まいど 福井です。いよいよ秋も深まり寒くなってきました。食べ物はおいしい 季節です。 前回 注1) 『 エンドユーザ←→実ベンダは、近い方が双方に有利 』と書き した。 本日は、視野を広げて、社会の動向 というテーマで書きます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 兵庫県の取り組み ──────────────────────────────────── 私は、神戸生まれで、東灘区で育ち、今は、西区に住んでいます。 わが街神戸そして、兵庫には、愛着があります。社会の動向として、兵庫県の動 向をチェックしてみました。関デジの兵庫支部員ですし。 11月15日(土)の14:00から18:00に三宮の生田神社会館で 第3回神戸ベンチャーフォーラム ―ベンチャーと地域ネットワーク― 主催:神戸ベンチャー研究会 http://kobeventure.com 後援:兵庫県、神戸市、神戸商工会議所、近畿経済産業局、関西ベンチャー学会 というイベントがありまして、参加してきました。 基調講演では、「チャレンジ企業を応援する」というテーマで、兵庫県の産業振 興政策を江木耕一氏(兵庫県産業労働部長)が話しをされました。 経済・雇用活性化プログラムとして3つの基本的な考え方「安心」、「元気」、 「創造」を掲げ4つの政策の柱「地域産業の元気回復と新たな活力創造を応援す る」、「未来を拓く創業と成長産業の育成を強化する」「多様な選択と再挑戦を 支える雇用・就業システムをつくる」「地域経済・社会の構造改革を先導する暮 らしと事業の環境を創出する」...という取り組みが存在していることを、私は、 はじめて認識しました。 実質経済成長率の推移「兵庫経済は、鉄鋼・造船等の重厚長大型産業を中心に、 全国屈指の工業県としての地位を確立した。しかし、国内外の環境変化の中で実 質経済成長率も全国を下回る水準で推移。特にバブル以降は、復興需要のあった 年など一部を除いて成長率は全国を下回り、平成9年以降は、3ケ年連続でマイ ナス。平成12年にはプラスに転じたが、平成13年は、再び全国を下回った。 」という現状認識のもと ─→ 産業構造改革の推進 ─→ 中小企業支援体制の強化(中小企業支援ネットひょうごの構築) http://web.hyogo-iic.ne.jp/ 「果敢に挑戦する成長の期待される企業に対する総合支援体制の構築や、既存の 産業支援機関の連携強化のため「財団法人ひょうご中小企業活性化センター」を 中心に新たなネットワーク「中小企業支援ネットひょうご」を構築し、当センタ ーに各支援機関を横断的にコーディネートする「総括コーディネータ」を配置す る。」 とのことです。「総括コーディネータ」ってのは何かどっかで聞いたことがある ような^^ シンポジウムでは「ベンチャーと地域ネットワーク」というテーマで [パネラー]内海清治氏(兵庫県中小企業団体中央会事務局長) 定籐繁樹氏(関西学院大学教授、元KRP産学ビジネス部部長) 下土井康晴氏(明興産業株式会社代表取締役社長) 千賀貴司氏(兵庫エンジェルズ・フォーラム常任理事) 吉岡昭一郎氏(ひょうご中小企業活性化センター総括コーデイネータ) [コーデイネーター]小西一彦氏(神戸商科大学商経学部教授) 各界の方々のいろいろな視点からのお話がありまして、視野が拡がりました。 いつもは、ソフト関係のMaillngListの情報に、まみれているので、違う世界の お話は、新鮮ではありました。 まあ 『ベンチャー』というキーワードを使って、既存の枠組みの方々もいろい ろ活動されているのが印象的でした。私が「ベンチャー」として描いているイメ ージは、例えば携帯コンテンツを提供するビジネスをやっている30代のビッグ スターという感じであったのですが、今回の集まりは、50代スーツ主体で、私 はこちらでは、若い方でした。 そこで『 BLOG 』を話題にしても、わかる人は、たぶんいないのではないか という雰囲気ではありましたが:-p ベンチャーというモデルは、キャズムでいうところの Innovators 革新者ではな くEarly Adopters 初期導入者でもなく、官が動く段階の階層まで定着している のを感じました。まあ「チャレンジ企業」という言い回しになっていましたが。 また学の進出の貢献も大きいですね。 地域ネットワークのエッセンスは、Face To Face の場 ですから、会合や飲み会 での人と人とのつながりです。私もこの神戸ベンチャー研究会の活動の一端に触 れることができてよかったです。 皆さんも是非どうぞ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 時代は移り、ニーズも変わる ──────────────────────────────────── 国や地方自治体までが、『構造改革』を掲げて時代の動きに対応しようとして います。 『構造改革』というのは、実は『意識の改革』であって、(現在)過去の枠組み にどっぷり浸かった人々より、これからの人たち(今の学生さんなど)が担い手 になって成し遂げられるでしょう。 日本は、団塊の世代が、若かった頃は、アグレッシブであった訳ですが、今は、 他のアジアの国々に比べてそうではありません。ハングリ精神が足りないと言え ばその通りです。しかし、高度成長時代の価値観が、時代を超えて最善であると は、言えないでしょう。その時代のステージに応じて処するしかないわけです。 私も鉄のシステムを、懸命に造ってきたのですが、いわゆる重厚長大を含め、物 を作る場合、コストを考え、より安くしようと考えると、賃金の安いところでと いう流れは、必然です。 地域で分業するというのは、当然で、銀座の真ん中に工場を建てるのでなく、そ こには、しゃれたお店を配置して、工場は土地や物価の安いところに配置する訳 です。かつて国内でやっていたやり方が、国境を越えるだけです。 第4回注2)の技術まわりの話しの際に『人類の進歩と調和』というテーマを取り 上げましたが、社会の産業動向という視点でも、『進歩と調和』です。 『 ひょうご21世紀産業創造イニシアティブの推進 』から引用します。 「新たな価値創造をもたらす多彩な産業を育む兵庫経済の再活性化を図り、地域 産業の復活、雇用機会の創出を促進するため、本県企業の研究開発ポテンシャ ルや産業支援のノウハウ等を生かし、21世紀の成熟社会に相応しい創造的な 産業活動を先導する。」 具体的には、産学で(財)新産業創造研究機構(NIRO) http://www.niro.or.jp/ に取り組まれています。これは進歩の部分で、調和の面ではセーフティネットの 強化という取り組みもあります。 戦後のハングリーな時代は、我々の親の世代が、勤勉に働いて経済大国日本とい う成果を築いてくれました。我々の世代もそれを受け継いだのですが、自分の子 供時代に比べると今の子供達は、実に豊かな環境で、育っています。豊かさゆえ になし得る境地があるわけですから「 今はハングリー精神が足りない 」と言う のではなく,更なる文化や芸術、思想の高みに向かって歩んで行けば良い訳です。 経済大国から、心の満足の為の文化大国への歩みですね。 これは、産業という枠組からの発想では、しんどいところです。 千円のネクタイの土俵で、800円でやっていける努力をするのか、5千円、一 万円の土俵へゆくのかです。ものづくりをやめてしまうのでなく、より満足が得 られる高付加価値への道を歩むという選択です。 身近な例では、NotePC も安さを追求すると10万以下でもありです。しかし持 ち運びに便利という付加価値を求めれば、高くても良い物を選ぶという選択にな ります。注2) システムも、「安いのが良い。とにかく動けば。」という方向と、「満足できる 見栄えと動作をとことん追求する。」という方向があります。 Webシステムにも目が肥えてきたユーザが、満足するには、高付加価値が求めら れます。 ベンダーの責任として、メニューを明示し、例えば次のように 1.素うどん 200円 2.カレー 500円 3.トンカツ定食 800円 : X.割烹料理 10,000円 予算が、500円なら カレーかうどん 予算が、10000円なら、特別おいしい ふぐやかに、松茸料理もOK ユーザに選択しやすいようにサービスする必要がありますね。 本日のツボ 『 時代とともに人々の意識は変わり、ニーズに応じて社会の構造も動く。 』 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ※ 注釈、資料、参考情報 ──────────────────────────────────── 注1) http://www.melma.com/mag/75/m00094675/a00000067.html 注2) 軽さでは、私も愛用しているPanasonic Let'sNote http://panasonic.jp/pc/ 最近の超軽量 ソニーPCG-X505/SP http://www.sony.jp/ 【プロフィール】 福井 修 ( FUKUI Osamu )o-fukui@po.iijnet.or.jp 福井システムリサーチ http://fsys.net/ 主幹。システム構築歴27年。 システム構築エキスパート 日本Linux協会、神戸商工会議所、情報処理学会 会員 関西ソーホ・デジタルコンテンツ事業協同組合員 デジタルハリウッド神戸校 Java講師